京極夏彦著 『妖怪シリーズ』とは




 古本屋の京極堂こと、中禅寺秋彦、鬱な小説家関口巽、華麗で美麗、ちなみに 変人な探偵、榎木
津礼次郎、そして、その幼なじみの一本気刑事、木場修太郎などなど、個性的なキャラ達が、妖怪退
治をするお話です。……いや、違うな、妖怪退治をするのは、京極堂です。  
 他の人たちは、妖怪が絡んだ摩訶不思議な事件に、巻き込まれたり、何らかの形で関わったりする
と言った方が良いでしょう。
 京極堂の妖怪退治は、ゲゲゲの鬼太郎のように、リモコン下駄や髪の毛針が飛んでくるワケじゃあ
りません。
 人間の仕業とは思えない、殺人事件が起きます。そしてどんどん訳の分からない現象が起き、事件
に翻弄される人々。
 例えば、20ヶ月身ごもったままの娘がいたり、みっしり箱詰め男があらわれたり、骨の夢に振り回さ
れたり、山里が突如消えたり、何度結婚しても、花嫁が死んでしまう、悲劇の伯爵がいたり……。
 ただの殺人事件ではなく、そういった不思議な現象がからんでくるので、事件に関わる刑事さんは
もとより、事件の渦中の人々などは、ただ、ただ混乱するばかり。
 そこで京極堂の登場です!


 『この世に不思議なものなど何もないのだよ』


 どうう考えても妖怪の仕業と思えない奇異な事件。その奇異を一般人にも分かりやすく、解釈でき
るように解き明かすこと。
 それが『憑きもの落とし』とよばれる、京極堂のお仕事。
 探偵小説ならば、犯人と対決することになるのでしょうが、そう単純にはいかないのが京極堂。
 事件は常に、渦中にいる人々の衝撃的な過去や秘密。それから心の傷や病がついて回ります。そ
こからなる人々の誤解や偏見、予断など、偶然という偶然が重なってしまうことで、不可解な状況を
生んでしまう。
 京極堂は、それらを総じて、『憑きもの』と読んでいます。
 不思議な現象を起こす要因のとなる過去、傷心、偏見など、そういった『憑きもの』がある限り、犯
人を当てても、はい解決というわけにはいかない。
 まずは、その『憑きもの』を落とすことが、京極堂のお仕事なのです。そして、それによって、
不思議だと思われていた事件の正体も明らかになって行くのです。
 
 
 



【中禅寺秋彦】AKIHIKO TYUZENJI

 年齢:多分三十代前半
 生まれ:恐山
  趣味:骨休め
 特技:憑きもの落とし
 職業:古本屋『京極堂』の主人
    武蔵晴明神社の神主
 経歴:大学卒業後、高校の講師をしていた
 風貌:死に神顔
 語録:「この世に不思議なものなど何もないのだよ、関口君」
 性格:偏屈者、冷静沈着、蘊蓄垂れ、愛妻家、愛猫家
 
 
 
【榎木津礼二郎】REIJIRO ENOKIDU

 年齢:多分三十代半ば
生まれ:東京小石川近隣
 趣味:寝る
 特技:他人の記憶を再構成して見ること。
 職業:世界一偉い探偵。
 経歴:雑誌の挿絵、ライブハウスでギター弾き。結構ふらふらしていた……
 風貌:眉目秀麗顔
 語録:「いいか、探偵は神に等しいものなのだよ」
 性格:躁病気質、天真爛漫、口が悪く、名前を覚えない。実は寂しがりや?

  

【関口巽】 TATUMI SEKIGUTI

 年齢:多分三十代前半
生まれ:東京以外の都会
 趣味:妄想(!?)
 特技: 鬱(!?)
 職業:小説家
 経歴:大学で粘菌の研究をしていた当時、小説家は副業だった。
 風貌:猿顔
 語録:「久遠寺の呪いをといてくれ!」
 性格:暗い。対面恐怖症、失語症、赤面症。なのに好奇心だけはやたらにある。 



【木場修太郎】SYUTARO KIBA

 年齢:多分三十代半ば
生まれ:東京小石川
 趣味:刑事(!?)
 特技:刑事(!?)
 職業:刑事
 経歴:刑事一筋
 風貌:下駄顔
 語録:「死ぬんじゃねぇかって思うくらいじゃなくッちゃ面白ェこともできねぇんだよ!そうだな    
礼二郎」榎さん:「たまにはイイコト言うな、四角人間」
 性格:真面目一徹、一本気刑事、天の邪鬼、どこか繊細で神経質。



★ 実際、関口君の趣味特技って一体……いや、特技の中の一つに、按摩があるらしい
  けど、それじゃあ、つまんないし。←おい

★ 木場さんの語録は、私の中では、誰が何と言おうと上記の台詞が名言だと思います。  
『そうだな、礼二郎』と榎さんに同意を求めるトコが、ポイント高し!
  ちなみに関口君の語録は、やっぱ、久遠寺事件の台詞が一番衝撃的だったような気が    し
ます。


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